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CADオペレーターの将来性は?AIによる代替で今後需要はどうなるか
「CADオペレーターに将来性はあるのかな?」「AIによって今後需要がなくなる可能性は?」といった疑問を持っていませんか。
CADオペレーターは、その名の通りCADというソフトを使い、データに図面を落とし込む仕事です。最近はAIの技術発展が著しく、CADオペレーターの仕事が代替されてなくなるのではないかという声もあります。
しかし、結論をいえばCADオペレーターの将来は明るいです。本記事ではなぜそのように言えるのか、理由を踏まえてお伝えします。CADオペレーターになるメリットやデメリット、将来生き残るためのコツなども紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
CADオペレーターの将来性は?今後の需要は?

新卒や転職でCADオペレーターを目指す方にとって、将来性があるのかどうか、今後の需要がどうなるのかは重要なポイントです。以下では、実際にAIに代替されてしまうのかどうか、その真相をお伝えします。
一部の仕事はAIに代替される
CADオペレーターの一部の仕事がAIに代替される可能性は高いでしょう。なぜならCADオペレーターの仕事はデータを扱うものであり、まさにAIが得意とする領域だからです。たとえば、以下のような作業は代替されることが予想されます。
- 単純な設計
- 軽微な図面修正
- トレース作業
クリエイティビティを必要としない単純作業は、ほぼAIが代替できると言っても良いでしょう。とはいえ、逆にクリエイティビティやコミュニケーション、イレギュラー対応が求められる業務は、AIで代替するのが難しい領域であるといえます。
AIが単独で設計するのは現実的じゃない
先述した通り、AIが単独で設計するのは現実的ではありません。単純作業を代替しつつ、メイン業務はやはり人の手で行う必要があります。徐々にAIが導入されていく未来は見えますが、それでもCADオペレーターが不要になるようなレベルに達するには、長い期間がかかるでしょう。
10年後も仕事はある
AIが完全に設計を代替できない以上、10年後も20年後もCADオペレーターの将来は明るいです。AIと共存しながらの仕事が日常になり、むしろ業務の効率化を計れます。
AIの発展はマイナスにも捉えられますが、そもそも業務を効率化するために存在するものであるということを覚えておきましょう。むしろ単純作業が減るため、よりクリエイティブな仕事に携われる可能性が広がります。
CADオペレーターになるメリット

CADオペレータになるメリットは、次の3つです。
- 幅広い業界で需要がある
- スキルアップしやすい
- ものづくりに携われる
以下では各メリットについて、詳細をお伝えします。
幅広い業界で需要がある
ものづくりに関する幅広い業界が、CADオペレーターを必要としています。たとえば、以下のような業界です。
- 土木・建築
- 機械製造
- 電気業界
- アパレル
- インテリア
- ジュエリー
CADオペレーターとしてスキルが十分であれば、どのような業界でも活躍できます。転職の際にも選択肢が多いため、希望にあった転職先が見つかりやすいでしょう。専用CADを用いる場合は業界に特化することもできるなど、幅広い視野で仕事ができます。
スキルアップしやすい
CADオペレーターはソフトを使用するため、スキルアップの仕方が分かりやすいです。他にもさまざまな業界の人と携わることによって、CAD以外のスキルが身に付くこともあるでしょう。
努力が見えやすい仕事であり、周囲からの評価も受けやすい環境です。どんどんスキルアップしていきたいという方に向いている仕事であると言えるでしょう。
ものづくりに携われる
CADオペレーターはさまざまな業界のものづくりに携われます。自分がCADで落とし込んだ図面で建物が立ったり、商品が出来上がったりするのは、やはり大きな達成感があるものです。
成果物が明確だからこそ、他の仕事に比べてやりがいを感じやすい仕事であると言えます。また自分のセンスを生かせるような職場であれば、より楽しんで仕事ができるでしょう。
CADオペレーターになるデメリット

CADオペレータになるデメリットは、次の3つです。
- 1日中パソコンに向き合わなくてはいけない
- 年収がそこまで高いわけではない
- 単独作業が多い
以下では各デメリットについて、詳細をお伝えします。
一日中パソコンに向き合わなくてはいけない
CADオペレーターはパソコンを使用する仕事で、ほぼ1日中画面と向き合うことになります。そのため、目や肩、首などに負担がかかることも多いです。頭痛・肩こり・首こりが慢性化するようなケースもあります。
納期が近いタイミングなどは多少の無理を強いられることもあり、長時間のパソコン作業が苦手な方にとっては苦痛かもしれません。逆に普段からパソコンと向き合っていて慣れている方であれば、とくに気にせず頑張れる場合もあります。
年収がそこまで高いわけではない
収入面は多くの方が気になるポイントかと思います。結論、CADオペレーターの年収は平均値程度よりほんの少し高い程度です。ほぼ平均値であると言っても良いでしょう。具体的に平均返金年収を比較してみると、次のようになります。
| CADオペレーターの平均年収(令和4年) | 449万6,000円 |
| 日本における給与所得者全体の平均年収(令和3年) | 443万円 |
参考:
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/25
https://www.nta.go.jp/phttps://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2021/pdf/000.pdfublication/statistics/kokuzeicho/minkan2021/pdf/000.pdf
年度や参考資料に多少の違いはありますが、比較してもCADオペレーターの年収はそこまで高いわけではないことがわかります。もちろんあくまで平均値であり、なかには高収入を得ているCADオペレーターもいることでしょう。収入を上げて行きたい方は、スキルアップやキャリアアップが重要です。
単独作業が多い
CADオペレーターは単独作業が多く、誰かと常にコミュニケーションをとりながら進めていくような仕事ではありません。そのため単独作業が苦手で、かつチームで仕事をしたい方には向いていない仕事です。逆に単独で黙々と仕事していたい人にはおすすめできます。
CADオペレーターとして将来生き残るためのコツ

CADオペレーターは今後も需要のある仕事ですが、AIによって代替される部分も少なからずあります。そのため将来生き残っていくためには、次のような4つのコツを意識しておくと良いです。
- AIを使う立場になる
- 設計力を身につける
- 3D CADのスキルを身につける
以下ではそれぞれについて、もう少し具体的にお伝えします。
AIを使う立場になる
AIには強みと弱みがあり、当然人の力でしか対応できない作業もあります。そのため、いかにAIを活用しながら仕事をするかが重要です。AIを使いながら効率的に業務を進めることで、より大きな成果を挙げられます。AIに代替されることを恐れるのではなく、むしろAIを使いこなして仕事をするような立場になれるのが理想です。
設計力を身につける
CADを使って図面をデータに落とし込むだけではなく、自らも設計できるようになればキャリアアップにつながります。AIが自由設計まで代替することは難しいため、AIにはできない分野で活躍できることになります。
これからCADを勉強したいという方であれば、設計についても学べるような学校・教室を探すのがおすすめです。建築、機械製造など自分が力を入れたい分野の設計も視野に入れて選ぶようにしましょう。
たとえば当社では、実際に施工図面作成会社だから出来る、実践型のCAD教室を開催しています。設計事務所や建築会社に長く務めていたベテラン講師たちが教えるため、設計の部分まで学べる実践的な学習が可能です。
3DCADのスキルを身につける
3DCADはAIが代替できない分野です。またものづくりの現場でも2Dから3Dへの移行が始まっています。そのため3DCADを使える人材は今後需要が高まる可能性が高いでしょう。他のCADオペレーターと差別化できるため、キャリアアップもしやすくなります。
CADオペレータにおすすめの資格

CADオペレーターとして今後スキルアップするのであれば、次のような資格も取得しておくのがおすすめです。
- CAD利用技術者試験
- 建築CAD検定試験
- Vectorworks操作技能ベーシック認定試験
- 機械・プラント製図技能検定試験
- オートデスク認定資格プログラム
就職先・転職先によっては資格手当を設けていることもあるため、収入が上がる可能性もあります。今後CADオペレーターとして長く仕事していきたいのであれば、視野に入れておきましょう。
CADオペレーターについてのよくある質問

CADオペレーターについてよくある質問に回答します。
CADオペレーターに向いている人は?
黙々と細かい作業をするのが好きな人や、ものづくりが好きな人が向いています。わずかなズレなども許されない正確さが求められるため、集中力が高いかどうかも重要です。
CADオペレーターがやめとけと言われる理由は?
「CADオペレーターはやめとけ」と言われる理由には、以下などがあります。
- 長時間のデスクワークが日課
- ミスできないプレッシャーを感じる
- 下積み期間の収入が低い
このような点に不満を感じやすいという方は、向いていないかもしれません。CADオペレーターの仕事には向き不向きがあるため、自分にできそうかどうかで判断すると良いです。
「CADオペレーターは底辺の仕事」という噂は本当?
CADオペレーターが底辺の仕事と噂される理由には、派遣など非正規雇用者が多いことが挙げられます。派遣=底辺というイメージを持つ人が多いため、偏見を持たれることもあるかもしれません。
ただし、CADオペレーターの仕事が底辺ということはまったくありません。やりがいがある仕事なのはもちろん、収入面でも平均を超えています。派遣やアルバイトでも時給が比較的高い傾向にあるため、気にすることはないでしょう。
【まとめ】CADオペレーターの将来は明るい

本記事では、CADオペレーターの将来性についてお伝えします。AIの技術発展によって今後需要が減るのではないかと不安に考える方もいるかと思いますが、心配する必要はありません。
AIに代替できない領域で活躍できる部分がまだまだあるため、10年後も20年後も仕事がなくなる可能性は低いでしょう。まずは自分のスキルアップに注力し、必要に応じて資格取得を目指すようにすると良いです。
