【最新】CADにはどんな種類がある？業界別でよく使用されるCADソフトも紹介

「CADにはどんな種類がある？」「自分の働く業界でよく使用されるCADの種類は？」といった疑問をお持ちではありませんか。

CADソフトにはさまざまな種類があり、業界ごとに特化した機能を持つものも多く存在します。建築や機械設計、自動車、インテリアなど、各分野でよく使用されるCADソフトを知っておくことで、目的に合ったスキルの習得やソフト選びがスムーズになるでしょう。

この記事では、CADの基本的な種類・分類や、業界別で特に人気のあるCADソフトを詳しくご紹介します。どのソフトを学べば良いか迷っている方や、キャリアアップを目指す方はぜひ参考にしてみてください。

CADの主な種類（区分）

CADソフトには種類があり、用途や目的に応じて選べるようになっています。主には、以下の2つに分けられます。

• 2D CAD
• 3D CAD

これらは機能性が異なるので、製図作成や立体的なモデリングなどの用途によって選ぶのが一般的です。

また、分野ごとに使い分けられる以下のような種類分けもできます。

• 汎用CAD
• 専用CAD

用途に応じたCADを選ぶことで、より効率的に作業を進められるようになるので、以下でCADの種類を学んでおきましょう。

2D CAD/3D CAD

CADソフトは、設計や製図に応じて2D CADと3D CADに分けられます。2Dと3Dそれぞれに得意な分野があるため、用途に応じた選択が大切です。

2DCADは平面図やレイアウト図を作成するのに適しています。主に建築や土木の製図などで使用されることが多いです。一方、3DCADは立体的なモデルを作成できるため、製品や機械の設計で活躍します。

用途によって使い分ければ、スムーズで質の高い設計ができるので、それぞれの特徴を覚えておきましょう。

汎用CAD/専用CAD

幅広い分野に対応する汎用CADと、特定の用途や業界に特化した専用CADがあります。

汎用CADは、さまざまな設計作業に対応できる柔軟性があるため、複数の業界で使いやすいのが特徴です。

専用CADは、機械設計や建築設計、回路設計など特定の分野に特化しており、専門的な機能が充実しています。

用途に合わせて選ぶことで、作業効率を向上させられるでしょう。

代表的なCADソフト8選

ここでは、初心者からプロまで幅広く利用している、代表的なCADソフトを8つを紹介します。

CADソフトには、それぞれ異なる分野や用途に特化したさまざまな製品があります。建築やインテリア、機械部品などの用途や、それに合う機能の特徴を知り、自分に合ったソフトを選ぶようにしましょう。

Jw_cad

Jw_cadは、日本で開発された無料の2D CADソフトで、特に建築や土木分野に適しているのが特徴です。完全無料で利用できるため、フリーランスや小規模事業におすすめです。操作画面がシンプルで、基本的な製図や設計に必要な機能が揃っているため、設計初心者が学ぶのにも活用できます。

また、軽量で動作もスムーズなため、古いパソコンでも利用しやすく、日本語対応も充実しているので、ストレスなく使用できるでしょう。

AutoCAD

Autodesk社が提供する2Dおよび3D対応のCADソフトで、建築、土木、機械設計など幅広い分野で利用できます。豊富な機能と高い互換性を持っており、業界標準のCADソフトとしても知られています。

また、クラウド機能やコラボレーション機能が充実しており、チームでの共同作業にもおすすめです。

プロ向けの機能が多いですが、初心者も無料体験版で基本操作を学べるので、ぜひ試してみてください。

VectorWorks

VectorWorksは、建築やインテリアデザイン、ランドスケープデザインで多く使用される2Dと3Dの両方に対応しているCADソフトです。特に建築業界で人気があり、初期のデザイン段階からプレゼンテーションまで幅広く利用できます。特にプレゼンテーション機能が豊富で、リアルなモデルを通じてクライアントにデザインを分かりやすく伝えられます。

また、図面とモデルの整合性が取りやすく、設計の過程でデザインの変更や更新が簡単に行えるなど、利便性と実用性が高いです。

REVIT

REVITは、BIM（ビルディング・インフォメーション・モデリング）に対応したCADソフトで、主に建築や土木、設備設計の分野で利用されます。3Dモデルをベースに設計を進めるため、設計段階から建物の構造や素材などを実物に近い状態で確認できるのが強みです。

また、複数のユーザーがリアルタイムでプロジェクトに参加できるため、大規模プロジェクトでの共同作業にも適しています。各種図面やコスト見積もりも自動生成できるため、クライアントへの提案時に便利なCADソフトです。

Inventor

Autodesk社が提供する3D CADソフトで、機械設計に特化しているのが特徴です。パラメトリックモデリングや高度なシミュレーション機能が備わっており、複雑な機械構造や製品設計に適しています。

3DプリントやCNC加工に対応しているため、製品のプロトタイプ作成や製造工程での設計が可能です。プロ向けの精密な機能が豊富なCADソフトで、機械設計に携わっているCADエンジニアから高く評価されています。

CATIA

Dassault Systèmes社が開発した3D CADソフトで、航空機や自動車、製造業などの精密設計分野で広く使用されています。高度な3Dモデリングやシミュレーション機能があり、製品の設計から製造プロセスまでを一貫してサポートしてくれます。

特に、設計時の製品チェックや高度な解析機能が優秀で、精密設計が求められるプロジェクトに最適です。多機能でありながら柔軟な設計が行えるため、複雑な構造の製品開発にはぜひ使用してみてください。

SOLIDWORKS

SOLIDWORKSは、3Dモデリングからシミュレーション、アセンブリ設計まで幅広い機能を備えた3D CADソフトです。主に機械設計分野で多くのエンジニアから支持されています。設計の効率性や精度を高められるツールが充実しており、操作画面も直感的なので、初心者でも学びやすいでしょう。

部品同士の干渉チェックや構造解析などの機能もあるため、製品の品質向上や検証に役立ちます。製品のプロトタイプを作成しながら、設計の改良ができる高機能なCADソフトです。

【業界別】よく使用されるCADの種類

CADソフトは、業界や用途によって求められる機能が異なります。それぞれの分野に特化したソフトを使うことで、質の高い設計ができるようになるでしょう。

ここでは、以下の6つの業界でよく使用されているCADソフトを紹介します。

• 建築
• 土木
• 機械
• 自動車・航空
• アパレル
• インテリア

CADソフトを適切に使い分けて、各業界で活躍できるCADエンジニアを目指しましょう。

建築業界

建築業界でよく使用されるCADは、次の3つです。

• Jw_cad
• AutoCAD
• VectorWorks

建築業界では、2Dと3Dの両方が使用されており、図面の作成から3Dモデリングまで幅広く対応できるソフトが求められます。

AutoCADは業界標準として多くの設計者が使用しており、安定感のある使用感があります。3D設計やBIM機能を備えたREVITも人気です。また、Jw_cadも建築図面作成によく利用されており、特に中小規模の設計事務所で多く導入されています。

土木業界

土木業界でよく使用されるCADは、次の2つです。

• AutoCAD Civil 3D
• REVIT

土木業界では、地形や地質、道路設計などが必要なため、2D CADソフトが主流です。

土木設計に特におすすめなのがAutoCADをベースにしたAutoCAD Civil 3Dです。地形や構造物の設計に便利なツールが多く備わっています。また、BIMを導入している企業では、複雑な構造やデータ管理が可能なREVITが使用されることもあります。

機械業界

機械業界でよく使用されるCADは、次の3つです。

• SOLIDWORKS
• Inventor
• Fusion 360

機械業界では、詳細な3Dモデリングや部品のアセンブリが重要視されるため、設計段階の確認やシミュレーション機能が必要です。

SOLIDWORKSやInventorは、部品同士の干渉チェックやシミュレーション機能が豊富で、製品のプロトタイプ作成や構造の解析にも適しています。また、Fusion 360も小規模な設計チームやフリーランスの間で人気が高く、3DプリントやCNC加工にも対応しています。

自動車・航空業界

自動車・航空業界でよく使用されるCADは、次の2つです。

• CATIA
• NX（旧Unigraphics）

自動車・航空業界は、精密かつ高度な設計が求められます。

CATIAは、複雑な3Dモデリングやシミュレーションに優れており、設計から製造プロセスまで一貫して行えます。NXは高精度の機械加工やシミュレーションに対応しており、特に航空分野での利用が多いです。大規模で精密な構造設計や品質管理を求められる自動車・航空業界に適した優秀なソフトです。

アパレル業界

アパレル業界でよく使用されるCADは、次の3つです。

• Adobe Illustrator
• CLO 3D
• Optitex

アパレル業界では、衣料品のパターン設計や3Dモデリングに特化したCADソフトが使用されています。

Adobe Illustratorは、デザイン段階でよく利用されます。専門的な用途ではCLO 3DやOptitexなどのアパレルCADの使用が主流です。これらのソフトは、布のシミュレーションや3Dの服装デザインに対応しており、実際の生地の質感や動きを再現できます。リアルな試作やプレゼンテーションにもおすすめです。

インテリア業界

インテリア業界でよく使用されるCADは、次の3つです。

• VectorWorks
• SketchUp
• AutoCAD

インテリア業界では、空間デザインや家具配置を視覚的に分かりやすく表現できるソフトが人気です。

SketchUpは簡単な操作で3Dモデリングが可能で、インテリアや家具のレイアウトをリアルに再現できるため、多くのデザイナーが利用しています。また、建築デザインと連携できるVectorWorksやAutoCADもよく使用されており、2D図面から3Dパースまでスムーズに作成できるのが特徴です。

【まとめ】自分の業務にあったCADを選ぼう

本記事では、CADの種類や業界ごとによく使用されるソフトについて詳しく解説しました。

CADソフトは建築、土木、機械、自動車、アパレル、インテリアなどの分野で幅広く活用されており、各業界のニーズに合った機能が揃っています。業界に特化したソフトを選ぶことで、設計の効率を高め、プロジェクトをスムーズに進行できるでしょう。

自分の業務に合ったCADソフトを見つけ、スキルを磨きながら活用してみてください。